環境保護
個性教育
侵食干渉〜ideal,hope & admiration〜

ヒトは自分に優位な視点・指標でモノの価値を判断しようとする。

筋力ではヒトは他の猛獣には到底及ばない。腕力などの筋力を基準に生物
の優劣を判断すれば、ヒトなど極めて下等な存在だ。

当然、ヒトは生物界の優劣判断を筋力ではなく頭脳基準に切り替えた。
ヒトを中心とした枠組と世界を構築するために…。

本来、よほどの体格差でもない限り、ヒトはヒトを一撃では殺せない。
それは他者の攻撃から逃げ延びる猶予があるということ。

やがて武器という発明品を用い、ヒトはヒトを一撃で殺すという人の枠から外
れた力を手に入れ、行使し始めた。それはヒトが逃げる猶予を損なったという
ことになる。

そんな人外の領域への侵攻は、ヒトに利益を与え、同時にヒトを苦しめてき
た。

飛行機の発明は視点を変えれば「空への侵攻」であり、
明かりの発明は視点を変えれば「夜への侵攻」であった。

ヒトの発展は実のところ、他の領域を侵す行為だった。

人は支配することを欲する。

人外の移動手段を用いねば到達し得ない領域までも支配をたくらむ。

戦争による支配・統治。支配の先にあるのは他者への価値観の強制。
占領すれば自国の文化・宗教を強制し、言語の習得を強要した。

ある程度の倫理を習得し、情報隠匿も困難となった世界は、侵略・侵攻
の精神は抑制され、武力行使も限定的になった。

現代でも様々な分野の商品がシェア争いという領土抗争を展開する。

極一部の人間のマネーゲームに食料や油の価格が左右され、一国の
混乱・影響が世界中に伝播する。
農業従事者は多方面から責められ、農業という業種の意欲や価値を損
なわせるような悪影響を生む。

国際貢献・海外支援という綺麗な表現を用いて開発をおこなう先進国。
遠い土地・国の大量消費を賄う為の森林伐採・耕地開拓を促す先進国。
原油増産を要求する先進国。

先進国の都合・基準が世界に伝播・干渉する。

今の世界は、あまりに国々の接点がありすぎる。

宗教・文化の壁を無視した介入や政策導入。
壁を残したまま、接点を持ちすぎる世界。

互換性のない文化・システムの短絡的な移植が強行される。

歴史宗教文化気候地理。それら全てに都合を合わせた統一政策など
不可能。

誰かが幸福なら、誰かが不幸なんだから。
誰かが勝てば、誰かが負けるんだから。
それがこの世界の仕組みなんだから。

ならば干渉を具体的に制限するしかないのではないか?

10年後の施行を目処に国際的な干渉基準を設けることは不可能か?

核兵器に対する要求、死刑制度への要求、児童ポルノへの要求、
薬物のルール、宗教観、教育制度、
鯨を食べる文化、牛を食べない文化、犬を食べる文化…。

国家間の接触制限を設けることで、これらの干渉が緩和するのではな
いか?

何所の国をテロ支援国に指定するかなど、他国に口出しする権利はな
い。本来、他国が核を持つことにも意見する権利はない。

年間数万人の子供が行方不明になるという米国の異常性を棚に上げ
たまま、他国の児童ポルノを原因の一部として定義しようとするのも身
勝手だ。

視野を広げ過ぎた社会では、比較対照の幅も拡大する。
人々の抱く理想は、過剰に進化する。それまで理想としていたものが、
新たな対象の認識により更なる高い理想へと進展する。

様々な国のシステムの良いとこ取りの政策を展開しても、その国の基
盤や文化に互換性がなければ機能不全となる。

宗教が根底にある国の民は、他人同士でも信仰という結束がある。
無宗教な国の民は、他人は完全な他人。精神的な結束もない見ず知
らずの他人と協調する意思は生まれにくい。

そんな国家では、税金の無駄遣いや使途不明などが露呈すれば、他
人同士が負担しあう制度は破綻する。

実のところ、税金の使途徹底公開の法制化さえしてしまえば、相当な
問題解決に至るのではないかと思う。極めて難しいだろうが…。

                              upload date:'08.06.28



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