死亡機会〜Dead or Alive〜
もし、数日で人類が滅亡するような危機がせまっている状況になった時、ヒトは
それぞれが思う「死ぬ前にコレがしたい」というような行動に走るだろう。その時、
略奪や殺戮であふれる状況も覚悟せねばならない…。
ヒトは皆、身近に死ぬ手段が用意されている。手首を切っても、高所から飛び
降りても、電車に飛び込んでも、閉鎖空間で練炭を燃やしても。それぞれが自
由に選択できる。
そんな悲しい死に方も、他人の手で殺されるような死に方よりは遥かにマシだ。
外出中に、事故・事件に巻き込まれて即死するような死に方は極めて不幸だ。
日本でも起こる銃の乱射事件。猟師として生計を立てている人間ならともかく、
クレー射撃なるレジャー用途にまで銃の所持を認めるのは法解釈の点でも疑
問だ。それは銃を誰でも持てる国に等しいのではないか？特定の施設に銃を
備えて、そこだけで使えるということで構わないだろう。
ヒトは、それまで生きて学んできた社会での常識を元に考えて、
「コレをやったら恨まれるかも、反発を受けるかも・・・」
という判断を行うことが可能である。その判断を誤り、はみ出した行動をとれば、
争いが起こり、最悪の場合殺される。
「誰かに都合の悪い情報を手に入れてしまったために殺される。」
そんな死に方をする人間の存在も現代でさえ微かに伺える。現状の報道の歪
み具合は非常に恐ろしい。
再び訪れた死刑制度に関する国際的見解は日本との違いを示した。
その地域文化や社会形態により死刑という死亡手段の捉えられ方も変化す
る。
その国に人質をとって立てこもるような事件が多ければ、狙撃手が用意され、
犯人は逮捕後に裁判を経る猶予もなく射殺されて事件解決するような事例
も多い事だろう。死刑制度の有無などへ論点が到達する間もなく、犯罪者
が処分される。死刑制度の意味は乏しい。
日本の数倍の殺人事件の発生する国々は幾つも存在する。
医療設備が乏しく、ヒトが病で多数死んでいく国々も無数に存在する。
蚊に刺されれば死に至るような病にかかる可能性がある国々も無数に存在
する。
ヒトの死ににくい日本。
死亡機会の少ない日本。
ヒトの死亡確率の明確な差が伺える。
ヒトが死にやすい環境であれば、ヒトの死ぬような行為は避けようとする意
識は生まれやすいだろう。死刑を避けようとする意識の差は、死亡確率の
差から導かれる均衡調整の作用。
ヒトが死の可能性から遠ざかり過ぎて増え過ぎれば、間もなく数を減らそ
うとする意識がどこかに芽生え、行動が促される。
ヒトに死をもたらすウイルスの発生にどう対処するのか？平均寿命が延び
る事を喜べるのか？危ない思想のターゲットになりかねない。死亡機会を
排除しすぎない事は必要だ。
年金のシステム破綻も人口のアンバランスさが大きな要因だ。高齢者を守
りすぎてはいけないはずだ。果して非情だろうか？客観的な視点に過ぎな
い。
使うかも判らないミサイルに１兆円も出せても薬害被害者にはその一％以
下さえ出し渋る国の在り方の方がよほど非情だ。
upload date '07.12.22
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