少数多数の価値感の逆転時期の線引き策定


個性的とは少数派であるということを意味する。その「個性の指導」に関し
ての不明瞭・不安定さこそが現代教育に携わる人間と現場を混乱させて
いる元凶なのではないか?

例えばスポーツ競技の本質は飛びぬけた能力を競い合うというものであ
る。オリンピック等で、ヒトは何に興奮するのか?
如何に飛びぬけているか、という要素だろう。
平均に近い所を目指す人間など何処にいる?
平均的な結果を評価してくれる人間など何処にいる?

広い視野で見れば、世界ではその他大勢である事に、何の賞賛もされな
いのが現実だ。

噂で聞く、運動会で手をつないでゴールする競技の傾向などは、飛びぬ
けた人間の誕生の芽を摘むことにつながる。世界という枠組で競うという
事は、まず第一に飛びぬけた部分を持つ事が前提となる。

少数派を抑制し、平均に均すことを重視すれば、飛びぬけた部分をもつ
人間の発生は
抑制されていく事となるだろう。

優れた人間は少数派にこそ存在する。これはヒトの能力を統計しグラフ
化した際に現れるピラミッド型のシルエットでも示される。多数派はつま
り「平均に近い」ということである。

社会において、平均的・その他大勢という位置の人間には個別の価値
は見出されない。しかし若年時・義務教育時においては、周りにあわせ
た言動こそ尊重される。

個性の尊重など無理にすべきでないという識者もいるようだが、まさに
その通りなのだろう。
個性的であることを尊ぶ事が、「自殺≒少数派≒個性」という方向へ現
れているとも考えられる。少数派であることを賞賛する概念は未成熟な
精神には避けるべきと考えられる。

本来、社会的視点において価値あるはずの「個性」を、若年時には抑制
し、他人・周囲にあわせる精神を尊重させねばならない。この矛盾を如
何に整理し説明するのか。この部分の曖昧さが、教育現場を戸惑わせ
ているのではないか?

酒・タバコ・ポルノというようなモノへの接触年齢を法律に定めた時期ま
で素直にしたがわない国民は無数に存在しているだろう。
それらの商品と同様、「個性の尊重」という指導に対し「○歳未満禁止」
というような線引きを策定し、「個性の尊重」教育を酒やポルノのような
位置付けをしてみてはどうか。
そんな形でしか、「若年時にのみ個性を否定する教育」を整理・説明出
来ないのではないか。

特定の栄養価の高い食品などは、幼い子供に与えるべきではないとさ
れる。未成熟な身体には刺激の強い物質は悪影響をもたらすためだ。
成人病が若年にも増加し、その名称を生活習慣病と変えざるをえなく
なった現状もある。
性徴期の低年齢化なども無関係ではないだろう。

栄養の過度な摂取によって成人病・生活習慣病を患うように、情報の
過度な摂取も精神を患うことにつながるのだろう。いじめやその他の
要素は、あくまでも自殺の直接のきっかけに過ぎなかったのではない
か。根本的要因は、情報過多による精神疾患にあるのではないか。

ネットや携帯電話など、未成熟な精神の子供が過度な情報に接しす
ぎる事のないような配慮、規制も必要だろう。これだって、○歳未満禁
止というような方向で定めてしまってもいいかもしれない。

「個性」を尊重する概念を教える【年齢・時期の線引き】の策定。実は、
そんな所が現在の教育における優先的に議論すべき重要な事なの
かもしれない。
別に厳しく規制する必要などない。多少でも、ためらいを感じるような
意識を植え付けるルール作りをするだけでいい。

                             upload date '07.XX.XX

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