格嫉議状〜everybody's desire〜
未だに語られる格差の広がりへの懸念。格差の意味と要因を何も理解して
いないかのような言葉が飛び交う。
「こんなに格差が広がった」
「ひどい格差社会」
格差固定化を問題視するなら解るのだが、語られるのは格差の存在自体の
問題…。
格差がなくなるってのは皆が平均的になるってこと。
格差を無くそうとする意識は、やがて偏った人間の誕生を抑制する。
「優れた人間」の正体とは「何かに偏った人間」である。
偏った人間の生まれない国は、広い視野・国際社会において識別したとき、
人材の居ない国と判断されるだろう。
「何かに偏った人間のいない国」は国際競争力のない国となり果てることだ
ろう。
日本人の能力を均一に振り分けるような指導を施せば、飛び抜けた能力を
持つ存在など生まれなくなる。
政治家を羨むこともないと思う。こんなにヒトから馬鹿にされる仕事も無いと
思う。
馬鹿な発言を繰り返し、思考力の無さを露呈させ、公約を反故にしながら、
甘い汁を吸い、生活面の優遇、税金の私的流用、地位を盾にした罪の免
除。そんな姿を晒せば、当然国民からは嫉まれ嫌われる。
本心では、自分の向いている方向が誤りだと理解していても、立場上方向
修正できないような政治家も居るかもしれない。
どこからか脅されて、誤った政策を強要される政治家もいるかもしれない。
あれほど「しがらみ」を否定し支持を得て来た某知事も、もはや激しく苦し
い答弁を繰り返す様を晒す始末。公になってないネタで脅されてんだろう
なという予想をする方は多いだろう。
政治家は甘い汁を吸っているのだろうが、それと引き換えに多数の人間か
ら嫌われ、馬鹿にされている。
そんなの限った話でもなく、大きな成功を経験する人間は、大きなリスクを
伴う行動を選んでいるものだ。ぬるま湯に浸かったままの人間がそれを羨
むのも可笑しい。
upload date '08.03.28
格差問題〜Hard Rating〜
日本中から一番安い販売店をネット検索して購入するシステムを手に入れ
た時、人々は格差の広がり易い社会を容認した。
実のところ、格差は悪いものではないことを理解しているヒトも多いだろう。
大企業にとって格差は必要不可欠。それを利用した上での収益構造を組
立て、利益を得ている。そして、その商品を買うヒトも全てが恩恵を受けて
いる。
安く仕入れて、高く売る。
格差の核心にあるのは、そんな当たり前の「社会のシステム」だ。それを認
め、利用した上で社会は形成されている。
そこで、ある時期から格差に関する議論では「固定化」という言葉が付与さ
れる様になる。格差の固定化が問題視され、それの回避が叫ばれる。
それは企業などの話に限らず、知事選挙などの際にも語られる。
権力が長期間続けば腐敗が生まれるという理屈からだ。
…が、しかし政府までには話が及ばない。格差固定の象徴が政府ではな
いのか?簡単に政権が変わるような国を作らねばならないのではないの
か?
格差の固定化を否定するなら、まず政権交代しやすい国会ルールを作る
事が格差固定化を回避する第一歩になるのではないか?
特定の政党の優劣など関係ない。どこの政党だろうと長く続けば腐敗する
んだろう。仮に、権力を持った存在を利用したり、圧力をかけてくる様な組
織があったとして、その回避のためにも政権交代が簡単に起きるような国
の方がターゲットの分散化によって狙われにくく出来るだろう。
同じ政権が続く事を支持するのは格差固定化を支持する事に等しい。あ
れだけの状態にありながら、参院選の投票率は6割に届かなかった。不
投票という行動は現状支持に等しい。
つまり、「不投票≒現状維持支持≒格差固定支持」だ。格差の固定化を
問題だと感じるなら、現状打開へつながる行動を選ばないと、格差批判
するのは変な話だ。
口先だけの「国民の皆様…」とかって言葉をならべるのではない、本当に
国民のためを思う政治家なら考えるだろう。
格差の固定化回避とは、政権の固定化回避から始まる、と。
upload date '07.11.07